格安simを選ぶときに「料金の安さ」を重視する方は多いのではないかと思います。確かに月々の料金が安くなったほうが嬉しいですし、格安simというからにはキャリアスマホよりも格段に安い料金プランがあってほしいものですよね。
しかし、料金だけで格安simを選ぶのは危険な行為です。というのも、格安simの中には料金が安いだけで通信品質が悪すぎるサービスも一部存在するからです。
「格安simに乗り換えたいけど、あまり詳しくないからどれに入会すればいいのかわからない」
「通信速度のことはよくわからない。何をどう見ればいいのか知りたい」
そんな皆さんに向け、当記事では格安simの通信速度の基本的な知識や、比較の方法などについてお話しいたします。
格安simに乗り換える前に、ぜひご一読ください。
格安sim乗り換えマニュアル
料金だけで選ぶのは危険!格安sim通信速度の基礎知識
冒頭で「料金だけで格安simを選ぶのは危険」と言いましたが、なぜ危険なのかというと、通信速度が遅すぎてまともにインターネットを使うことができないようなサービスも存在するからです。
料金がどれだけ安くても、スマートフォンを使うことができなければ意味がないですよね。だからこそ、格安simを選ぶ際には料金だけでなく、通信速度も見る必要があります。
下り速度と上り速度
格安sim各社のホームページを見ると、「下り最大○○Mbps」「上り最大○○Mbps」という表記が見つかると思います。
下りとはダウンロード速度のことであり、たとえばアプリのダウンロードや、動画の読み込みに関係してくる速度のことです。
それに対し、上りとは、アップロード速度のことで、たとえばSNSに動画をアップしたり、メールに動画像データを添付したりするのに関係してくる速度となります。
では下りと上り、どちらが重要なのかというと、スマホの使い方にもよりますが、基本的には下り速度ですね。下り速度が速ければ速いほどインターネットを快適に使うことができます。
動画、画像の読み込みやアプリのダウンロード、ネット掲示板の表示など、インターネット使用時に深く関わってくるのは下り速度ですから、格安simを選ぶ際には下り速度の速いものを選んだほうがよいでしょう。
Youtubeなどに動画をアップしているのでもない限り、上り速度はそれほど気にしなくても良いと思います。
ちなみに、1Mbpsはどれくらいの速度なのかというと、Youtbeの標準画質の動画を見るのに必要な速度です。
高画質の動画を見るには3~5Mbps程度の速度が必要と言われています。これを基準に通信速度を見ていくとわかりやすいかもしれません。
理論値(ベストエフォート)と実効速度
しかし、格安sim各社に表記されている通信速度を鵜呑みにしてはいけません。何故なら、そこに表示されている通信速度は「最大速度」であり、実際に出る速度ではないからです。
たとえば、下り最大780Mbpsの格安simと、下り最大390Mbpsの格安simがあったとしましょう。
理論上は前者のほうが下り速度が速いのですが、実際に出る速度は後者のほうが速いというケースもあります。
最大速度が速いからといって、平均的な通信速度や実際の通信速度が他社サービスよりも速いとは限らない点に注意が必要です。
最大速度ではなく実際に出る通信速度のことを「実効速度」と言いますが、格安simを選ぶ際にはこの実効速度を見ることが大切です。わかりやすく言えば……
実効速度
②下り最大390Mbps、実効速度平均20Mbps
↓
②を選んだほうが快適にインターネットを使える!
ということになります。この最大速度というのはあくまで理論値であり、実際に780Mbps、あるいは390Mbpsもの速度が出ることはありません。いずれのサービスでも下り平均100Mbps未満が基本です。
最大速度がどれだけ速くても、実効速度が遅ければ意味がありませんから、格安simを選ぶ際には必ず実効速度を調べてみてください。
実効速度の調べ方
実効速度は、そのサービスを契約してからでないとわかりません。つまり自分で計測することはできないということです。
しかしネットで少し調べていただければ、格安sim各社の実効速度の計測結果を毎日アップしているサイトや、口コミなどが出てくるはずです。契約前に必ずそのサービスの実効速度を調べてみましょう。
ただし、通信速度は利用環境によっても多少変化するものですので、計測結果を鵜呑みにするのは禁物です。
たとえば、回線の混雑する都市圏だと多少通信速度が落ちてしまうこともあるでしょうし、計測した場所が悪かった場合にも通信速度は下がってしまいます。
昼の12時台や夕方18時台など、混雑する時間帯にはほぼ100%通信速度が下がるという点も留意しておく必要があるでしょう。
計測結果を調べるときには、計測した場所と時間帯に注目することが大切です。目安としては、朝方や昼下がり、夜の時間帯などに10Mbps程度出ていれば充分でしょう。
12時、18時台の混雑する時間帯には、最低1Mbps、できれば5Mbps程度出ているサービスを選びたいところです。
特に仕事の休憩中に動画を見たりすることの多い方は、混雑する時間帯の通信速度に注目してみてください。
格安simを選ぶ時のポイントまとめ
以上、格安simの通信速度についてお話しいたしました。料金が安くても、実効速度が平均1Mbps程度しか出ないのであれば、そのサービスは契約しないほうがよいでしょう。
スマホの料金を安くしたい気持ちはわかりますが、失敗したくなければ、あわせてその会社のスマホの通信速度を調べるようにしてくださいね。